一般日本人緊張日記

日記、映画の感想など

最近観た映画の感想

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」(2021)

 

"見た目がサメ"などの理由で、にっちもさっちもいかない社会不適合者a.k.a.負け犬達が、どーにかこーにか頑張る話。世界はひどく残酷なので、当然その頑張りが報われるとは限らない。それどころか十中八九なんの成果も得られず無駄死にするだけだろう。アメリカ合衆国という世界最大のヤクザの尻ぬぐいをするために危険極まりない任務に送られたスーサイド・スクワッド=自殺部隊の面々は容赦なくぶち殺されていく。本当にあっけなく、そのへんの石ころみたいに、なんの慈悲も与えられず。その姿は切なくも滑稽なのでつい笑ってしまう。でもごく稀に、死にものぐるいの頑張りが世界を救うこともある。と言うと綺麗事に聞こえるかもしれないが、少なくとも映画ではそれが出来る。急に怪獣映画となるクライマックスの中で、この世で最も醜いものがこの世で最も美しいものに変わる瞬間、観客である自分は心の中で叫ぶのだ。「俺にだって出来る」と。

 

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」(2021)

 

 

割とど直球なスーパーヒーロー映画なんだけど、俳優の力とアクションの力でガツンとくる快作に仕上がってると思う。地味だけどずっと見てられる顔のシム・リウと見てるだけで面白いオークワフィナのコンビが良いしトニー・レオンはただただめちゃくちゃかっこいい。バスのアクションは何度も見たくなるほど気持ちいい。最後らへんのテンリングスを使ったアクションももっと明るいところで見たかった。MCUの「ちゃんと面白い作品見せますよ」という自信に満ち溢れた作品だったと思う。クライマックスのポケモンバトルは正直見づらいなと思わなくもなかったが、ご愛嬌。

 

「呪いの館」(1966)

 

 

監督の名前知ってるけど観たことない系映画が豊富なU-NEXTで視聴。マリオ・バーヴァ作品は初。後年のホラーに多大な影響を与えてるのだとか。序盤の窓から外を見つめるカットとかが好き。ボールだけ残ってるとことかも。不気味で幻想的な画作りが素敵。ゴシックには疎いけど他にも色々観て勉強していこうと思う。

 

「ビヨンド」(1981)

 

 

名前知ってるけど観たことないシリーズ。アンダルシアの犬もびっくりな目玉飛び出し映画だった。高橋ヨシキさんが言ってたけど「視覚」という映画を観てる時に使ってる部位を攻撃されるのは結構つらいんだな。地獄の門があるとこにホテルが建っちゃったみたいな話・・・というか話は正直あんまり集中できなくてよくわからなかったのだが、知らぬ間にあれよあれよと地獄まで連れて行かれる素敵な作品。この監督の作品もU-NEXTにたくさんあるので掘っていこ~

 

「イエスタデイ」(2019)

 

 

イデア一発勝負映画。音楽への影響だけを考えてみてもビートルズなき世界でニュートラルミルクホテルやピクシーズが同じ音を鳴らしてるのか?とか考え始めると全然集中できなくなるので、細かいことは気にしない方がいい。オアシスがギャグの種にされてるのは理解できるけど、ビートルズの真似事だけじゃない良い曲もたくさん作ってるでしょ~ということは言っておきたい。

 

「DAU.ナターシャ」

 

 

止めようがない巨大なシステムによって人間性はいとも簡単に破壊されてしまう。映画を観るという行為は一種の現実逃避だが、たまにこういう直視したくない現実を叩きつけてくる映画が存在している。こっちは現実から逃げたいのにふざけんじゃねーよと思うのだが、不思議と目を背けることができない。見終わった後の、「人生は地獄で、この先何も良いことなんかない」という気分はトリアー作品にも通じるものがある。それでもまだ死んでるよりはマシなのだ。スーサイドスクアッドを観て元気を出そう。

 

「団地妻 昼下がりの情事」(1971)

 

記念すべき日活ロマンポルノ第1作目。夫に相手にされず欲求不満な人妻、盗聴、マジックミラー、電動こけし、とどこかで見たことあるような定型が盛り沢山で結構楽しめる。結構悲惨な展開でラストが破滅的だけど、アメリカンニューシネマっぽいというよりただの不注意である。運転してる時にフ○ラしてもらうのはやめよう。

 

「夜汽車の女」(1972)

 

かなりシュールな作品。田中登監督は「人妻集団暴行致死事件」も強烈だったが今作もなんか説明の難しい変な映画。田中真理は独特のかわいさ。タイトルにもなっている夜汽車のシーンが味わい深くて良い。