一般日本人緊張日記

日記、映画の感想など

World/Shady

ニューヨーク州バッファロー出身のバンド、Mercury Revの初代ボーカリストであり、中心人物だったDavid Bakerが、バンドを脱退後、Shady名義で1994年に発表したソロ・アルバムを、最近よく聴いています。

 

Mercury Revというバンドとの出会いはいつ頃だっただろう。おそらく中3くらいだと思う。当時はアジカンストレイテナーといったバンドを入り口として、アメリカやイギリスのロック、ポップ音楽を聴き始めた頃で、OasisRadioheadに夢中で、家にインターネットというやつがやってきたので音楽マニアの人たちが個人でやってるレビューサイトとかを毎日チェックしたりしていた。そういう時にレビューを読んだのが最初だったはず。なんかわからんがとにかく個性的なバンドっぽいぞ、聴いてみたい、ということで近所のTSUTAYAで探してみたが、今から考えるとド田舎のレンタル屋にそんなものが置いてあるはずがなく、中学生なので通販などでボンボンCD買うこともできなかった。その頃はちょうど違法動画がいっぱい見れるYouTubeというサイトも出てきていた頃で、そのサイトで何曲かは聴けていたが、うーむ、やはりCDをMDに録音して聴きたいぞとなっていたところに、学校でよくCDを貸してくれていた元バンドマンの国語の先生がいたので、試しに「Mercury Revってバンド知ってますか?」と聞いてみると、「…どこでその名を?」と逆質問(?)され、なんか漫画っぽいセリフだなと興奮したのを覚えている。そういう反応されるくらい、いわゆる知る人ぞ知るバンドなのだと思った。というわけで先生に2枚のアルバムを貸してもらったのが最初だった。『All is Dream』と『The Secret Migration』。

 

彼らのオリジナルアルバムとしては5枚目と6枚目に当たるのだが、バンドとして既に成熟しきっているのがわかる作品だ。ストリングスやシンセなど多種多様な楽器を使った壮大で幻想的なサイケデリックロック。情報量は多いのだが、無駄がなく、洗練された音。David脱退後のRevでは、めちゃくちゃ評価されている4枚目と合わせてこのへんを一番聴いたと思う。今でも大好きなアルバム達。

 

Davidがボーカルを務めていた1st、2ndアルバムをちゃんと初めて聴いたのは大学の時で、聴いたときは本当にびっくりした。今のRevとは全く違うノイズバンドだった、フェスで音がでかすぎて出禁になった、みたいな情報は知っていたが、ここまでぶっ飛んでる音だとは思わなかったのだ。

 

やりたい放題にノイズを撒き散らしてるのに、メロディは異常にキャッチー。そこが良い。そしてなんといってもそのメロディを歌うDavid Bakerの異様な存在感。この存在感にはそのデカい図体も含まれてるのかもしれないが。

 

後期のRevの方が間違いなく多くの人に評価され、聴かれていると思うけど、そちらの音楽性にイマイチのれなかったとしても、初期のRevならドンピシャ好みって人も中にはいるかもしれんので、是非是非聴いてみてほしい。

 

で、ここからタイトルのDavidのソロ・アルバムの話(遅い)。こちらは94年に出てるアルバムで、自分は最近まで聴いたことがなかった。聴いてみて、「やっぱ、これだよ…」と静かに親指を立てた。捻れたポップセンスはまさに初期のRevそのもの。むしろソロになったことでバンドの混沌具合が薄れ、メロディの良さだったりそういう部分が際立っているような感覚を受ける。

 

 

サポートメンバーも豪華で、Swerve DriverのAdam Franklinや、The Boo RadleysのMartin Carrなどが参加しているらしい。90年代オルタナティブ、シューゲイズが好きな層にとっては、Revの1stや2ndよりむしろこのアルバムの方がツボって人もいるんじゃないだろうか。

 

ちなみにRevといえばプロデューサーDave Fridmmanも有名ですが、自分が最初に聴いたのはやはりWeezerのPinkartonでしたな。

 

 

Zazenの4枚目のレコーディングのドキュメンタリーで、本人も登場してますね。

 

 

ちなみにDavidさん2012年にはVariety Lightsというデュオで作品を発表していて、こちらはエレクトロニカになってます。やはりというかしっかりDavid汁は溢れ出てますが…